第22回 「南無妙法蓮華経」は何語の巻
秋も深まり、だんだん寒い日が多くなってきました。
寒いのは苦手だけれど、こたつでアイスクリームを食べるのが大好きなので結構冬もいいなぁと思いながら、かおりちゃんはテレビを見ていました。
テレビのニュースでは、外国の人のインタビューが流れています。英語で何かしゃべっていて、画面の下に翻訳した日本語が書かれています。
「あれ、そういえば……外国人が本門佛立宗のご信心をしたのなら、なんて言って御看経するのかな?」
そこにお父さんがアイスクリームを持ってこたつに入りに来ました。
ちょうど良かったと、かおりちゃんはお父さんに聞いてみました。
「ねぇお父さん。外国の人が御看経する時って、なんて言って御看経してるの?」
「そのまま『南無妙法蓮華経』と御看経するんだよ。『南無妙法蓮華経』って日本語じゃないからな」
「えーっ!」
かおりちゃんはお父さんが冗談を言ってるのではないかと疑っています。
「それじゃあ何語なの?」
「『南無妙法蓮華経』はどこの国でも、宇宙でも通じる宇宙語なんだ」
やっぱりお父さんは冗談を言ってるんだと、ため息をつきます。
「おいおい。ホントだよ。昔、お父さんがちゃんと教えてもらったことなんだよ」
かおりちゃんはとりあえずお父さんの話の続きを聞こうと思いました。
「例えば、花子さんという人がアメリカに行ったからって、名前が『Flower
Child』に変わる訳じゃないだろ。それと一緒で『南無妙法蓮華経』も『南無妙法蓮華経』のままなんだよ」
「御題目も名前なの?」
「『南無妙法蓮華経』ってな、本佛の宝号、わかりやすく言えば仏様のお名前なんだよ。これは想像も出来ないぐらい遠い遠い昔に、仏様が上行菩薩に末法と呼ばれる今の世の中に弘めなさいとお伝えになった言葉なんだ」
「どうして『南無妙法蓮華経』を弘めなきゃいけないの?」
「末法はなかなか成仏できないで困っている人たちの集まりなんだ。でもそれじゃあ可哀想だと、仏様が成仏できる方法を教えて下さったんだ」
「それが『南無妙法蓮華経』とお唱えすることなの?」
「その通り!『南無妙法蓮華経』とお唱えすることによって、魂の中に記録されている【罪障】という悪いことを消すことが出来るんだ。だからいつの時代でもどこの国でも、宇宙でも【罪障】を消滅することができる御題目を、わざわざ訳したりせずにお唱えするんだよ」
「なんだか想像つかないけど、御題目ってすごいね」
それを知ってるお父さんもすごいねとかおりちゃんは心の中で思いました。
そして近い未来、宇宙開発が進んで火星人は上手に御題目を唱えられるかなと思ったかおりちゃんでした。